コラム第二話 話を聴いてもらうだけで楽になるのはなぜ?

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カウンセリングの疑問がわかるコラム  ~(全4話)~

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第二話:話を聴いてもらうだけで楽になるのはなぜ?

よく聞かれる質問です。
お医者様だと、適切に診断をして、処置したり、薬を出したりと、専門家の方の
価値が
わかりやすいですが、「傾聴」カウンセラーは話を聴いているだけで何もしていない
印象を抱く方
も多いかと思います。

少しだけ、「傾聴」カウンセリングの癒しのカラクリを説明しますね。

ぼんやりと悩む、昔のことを思い出して悩む、イライラして考えがまとまらない、
悲しい気持ちでいっぱいになる、自分がこの世に存在する実感がない、
楽しいことが楽しく感じない、親しい人に冷たくしてしまう、自分を好きになれない、

いろんな悩みがあります。

人の悩みは「頭が騒がしい状態」か、「本当の自分がわからない状態」か、あるいは
その両方かということを「第一話」で説明しました。

「傾聴」カウンセラーは、この「頭が騒がしい状態」と「本当の自分がわからない状態」を
軽減し、未来を明るく、ノイズのない感覚、そして自分自身の意味を取り戻すことに貢献します。

「頭が騒がしい状態」の人は、思考する頭の中が整理できない状態です。なぜ整理できないか
というと、空きスペースがない、その上に自分が扱える範囲を超えているからです。

カウンセラーはお話を聴くときに、なるべくお客様の感覚にシンクロして同じように感じて、
カウンセラーは言葉を引き取りながら、共同作業で「空きスペース」をお客様の中に作ります。

   この効果をカウンセリングの専門用語で「カタルシス効果」といいます。

そして、次が大事なことです。その空きスペースができるということは、少しずつ、
具体的に扱える範囲に頭の中の問題が収まっていくということです。

そうすると、お客様は「あー、こうすればいいんだ」、「なんだそういうことか」という、
普段の考え方や自分の生き方で処理できるようになります。

   これをカウンセリングの専門用語で「アウエアネス効果」といいます。

そのため、「傾聴」カウンセラーは中途半端なアドバイスはおこなうことなく、
さらに頭を騒がしい状態になるような新しい情報を伝えたりせずに、

  ただただ、心の荷物を一時お預かりすることに努めていきます。

もう一つ「頭が騒がしい状態」に効果があることは、カウンセリングの時間、お客様の状態を
感じながら寄り添うことにより、共同作業をしている感覚も生まれます。
人は、一人で「頭が騒がしい状態」に立ち向かうのは不安が多く、実はその不安により、
普段の能力が発揮できていない場合も多いのです。

あなたの前の「傾聴カウンセラー」は、この世で一番「あなたを否定しない、共に感じる」という
存在となります。

   これをカウンセリングの専門用語で「バディ効果」といいます。

さて、もう一方の悩み「本当の自分がわからない状態」にはカウンセリングはどのように
効果があるのでしょうか?

カウンセラーに自由に発言をして、しばらくもしくは、二回目、三回目と自分が思ったまま
話していると、不思議な現象が起きます。

例えば)
「あれ、この感じはなんだろう。」(急に悲しい気持ちであふれてくる)
「普段私、そんな言葉づかいじゃないのに」(素である自分の姿の再認識)
「なんでこんな話はじめちゃったのだろう」(普段話さない内容の話をついしている)
「へんなことを思い出してしまいました。」(過去ふさいでいたことへの思い)

これらすべて、過去の「感覚」からのメッセージを受け取っている状態です。
「感覚」は言葉をもっていないので、言語化するためには、本人の「思考」を借りなければ
いけません。

これを「感覚」からのメッセージの言語化といいます。

最初は、間違ったメッセージをつけていることもあります。

「彼氏」に冷たくされていることを認めたくない自分がいることに気づいたという人が、
2回後の面談では、「実は、彼ではなく、「父親」にあの時いわれたこの言葉がとても
許せないのだとわかりました。」とか変化していくこともあります。

ではなぜ、「感覚」からのメッセージの言語化がカウンセリングによって促されたのでしょう。
カウンセラーは、お客様の状態を「共感」することを仕事としています。
何も否定されない、受け入れられながら自由に安心に「思考」できる空間が与えられると、
「感覚」をあまり抑え込まなくてそのまま素直に話ができるようになるのです。

安心して話せる場があると、「感覚」と「思考」は警戒することなくなります。
「ここだったらいいかな」と「感覚」が「思考」に特別な感覚を伝えようとします。
これが、話が深まっていくときに、おこる不思議な現象の正体です。
ここまでで、十分「本当の自分がわからない」ことへの効果があるのですが、
そこから先は残念ながらカウンセラーのみ知る技術です。

いじわるで教えないわけではないのです。
その先は、「感覚」からくるメッセージを探りましょう。
言葉で説明されることは「思考」が支配しますので、
先回りしてカウンセラーが言葉で伝えることは、逆効果になります。

ここまでの話で十分安心できるかと思います。

「傾聴」カウンセリングを受ける一番のメリットは、

  カウンセラーの「共感」、「受容」の姿勢に癒されながら

  「できるだけ純度が高い状態で自分自身の心を取り戻す」ということです。

私たちカウンセラーが目指すのは、あなたの自然な「感覚」と「思考」の関係性を
取り戻すことだけです。

第三話では、どの程度通えば効果的なのかを説明します。

 

 

 

 

 


文章:公認心理師 サイモン隆明

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