受講生の声

傾聴理解編1 カウンセリングの入り口


私がカウンセリングの世界に入りたいと思ったのは、自分にできる形で、誰かにプレゼントをすることができたらと考えたからです。

私は、生まれつきの視覚障害者です。ですから、日々誰かの助けを借りることばかりでした。でも、できるなら、私も誰かに何かお返しをしたいと、いつも思っていました。今回の学びは、もしかしたらそのチャンスになり得るかもしれない、そう考えてこの養成講座を受講する決意をしたのです。

今回、同じ講座を受講するのは私を入れて4名。経験者の方もいらっしゃるので、素人の私は緊張で頭が真っ白でした。

まず初めは、基礎から入ります。スタートからエンディングまで、カウンセリングには一通りの流れがあるわけですが、カウンセラーが一貫して大切にしなければいけないのは、クライエントさんへの心配りです。どれだけリラックスしてお話をしていただけるか。その中で、どのように良い関係を築いて行くか。それを、「カウンセラーが主体となって作る」のではなく、クライエントさんのペースに寄り添いながら行う、それはとても神経を遣う作業であり、でも、決して省いてはいけないポイントだと知りました。

講義の後はすぐに実習に入ります。2人でペアになり、片方がカウンセラー、もう片方がクライエント役となって、短い時間ですが、本番さながらにカウンセリングを行うのです。初回は、まず自己紹介からということで、お話をしました。話題は表面的な内容ですが、カウンセラー役の人は、心配りを忘れないように気をつけながら、しっかりお話を聞きます。

この講座では、とにかくたくさん実習を行うのだそうです。でも、確かに実際にやってみなければわからないことばかり、テキストを読みながら講義を聞いているだけでは意味がありません。私も、教わったポイントを押さえつつ何とか決められた7分間お話を伺うことができました。

次回、どんな課題が待っているのか、不安もありますがかなり楽しみです。


傾聴理解編2 相手を肯定する


2コマ目からは、いよいよ具体的なカウンセリングの技法へと話が進みます。

まずは、最初に教わった、「うなずき」や「あいづち」を意識的に生かした実習です。最初と同じく、カウンセリングの流れを忠実にたどりながら、相手の話に合わせて、うなずきやあいづち、肯定的な言葉などを少しずつ挟んで行きます。あいづちなどは、何度も、細かく挟んだりすると、話を急かしているような印象を与えてしまうので、ゆったりと、でもしっかりお話を聴いていますよ、という気持を伝えることが大切なのだと知りました。

続いては、カウンセラーに求められる事柄、「受容」、「共感的理解」、「自己一致」について学びました。受容や、共感的理解についてはすぐにイメージすることができたのですが、問題は「自己一致」です。つまり、「心と、言葉や行動が一致している状態」を言うのですが、不一致はたいてい無意識に起こっており、クライエントさんは、自己不一致の状態で訪れることが多いので、カウンセラー側は常に自己一致している必要があるのです。

言うのはたやすいかもしれませんが、「起きていることを認めたくない」、「忘れていたい」などの感情は誰しもにあるもので、カウンセラーも例外ではないでしょう。私も、不一致のことが多々あるように思います。それを認識して、できるだけ自己一致を保つためには、メンタルの強さが求められると直感的に思いました。

最後に、2人でカウンセリングを行い、残る1人がスーパーコーチとして感想を述べるという実習を行いました。感想と言っても、指摘するのではなく、良かった点を伝えるのが目的です。ここでも、相手を肯定する力が養われるのかもしれません。

この講座を通して、私達は自らに対して誠実に向き合い、受け入れる強さを身につけなければならないと感じました。


傾聴理解編3 意識と無意識


続いては、意識と無意識の関係性について学びました。

意識は、脳で考えることのできる感覚なので比較的理解しやすいし、受け入れやすいものです。逆に、無意識は、その逆にあるもので、無意識下で起きている事柄を理解したり、受け入れたりすることは難しいのです。ただ、人間は意識だけでは生きられないもの、無意識の感情(言葉にできない気持ち)ともうまくつき合って行く必要があります。

私は、意識は理性、無意識は欲求・或いは誘惑と、とりあえず大ざっぱに捕らえることにしました。理性では、「夜中に食べると身体に悪い」と考えますが、無意識の欲求はお腹が空いたから食べたいと主張する、そんなイメージです。無意識は、気づかない所でふくれあがります。そして、何度も繰り返しやってくるのです。それを意識できる範囲でコントロールしながら生きている、それを意識と無意識の共存と理解しました。

けれど、無意識があるから平常でいられる場合もあります。「(辛いから、悲しいから)忘れてしまおう、無かったことにしよう」というような感覚です。これを、「防衛機制」と言います。防衛機制を働かせることで、無意識のうちに心を守っているのです。

カウンセラーは、クライエントさんが無意識に心の奥に閉じ込めている見たくないものに気づいても、すぐさまそこに触れようとしてはいけない、そこに触れることは、とても危険な行為と知りました。なぜなら、そこにある何かは、心の傷と直結している可能性があるからです。それは、暴力的行為なのかもしれません。ひたすら、クライエントさんが意識と無意識をうまく共存させられるようになるのを見守り、お話を聴く。それは、とても気の長い作業かもしれませんが、大切なプロセスだと思います。

今回は、実習は無く、ひたすらメモを取りながら自分の心と向き合う、そんな時間になりました。


傾聴理解編4 同感と共感


次のテーマは、「クライエントさんと自身(カウンセラー)は、まったく異なる存在である」と認識することから始まりました。

なぜ、それが大切なのか?それは、おそらく、人間の本質的な部分に、「普通」や、「常識」と言う物差しが有り、それを他者にも当てはめて考えてしまいがちだからではないでしょうか。他人は自分とは違うもの。当たり前のようでいて、実は自分の常識は一般にも通用すると、無意識のうちに考えてしまう。これは、カウンセラーにとってあってはならない間違いなのだと思います。

それを踏まえた上で、どのように関わって行くかと言うことになりますが、ここで登場するのが「同感と共感」です。一瞬、大差無い言葉のように思えなくもないのですが、これは全く異なるアプローチなのだと教わりました。

それは、実習をしてみて、すぐにわかりました。

まず、始めに、「同感のカウンセラーの○○です」と名乗り、相手の話に大きく関心を示し、ときには話題に食い込むほどの勢いで会話します。これは、ワイワイと盛りあがりますが、これでは友達同士の会話と変わりません。
次に、「共感のカウンセラーです」と名乗り、聴く姿勢を大切にしながら相槌を打ち、深く話を聴くスタイルに戻します。こちらは、会話は穏やかで盛り上がりはありませんが、聴いてもらえていると言う安心感が生まれました。
同感は、クライエントさんと同じ場所に身を置くので、その先へ進んで行くことができない、これではカウンセリングを受けに来た目的が果たせません。状態によっては、最初に同感的に関わって場の雰囲気を盛り上げることも必要ですが、基本的には共感的に関わりながら、表情や言葉から問題のヒントを見のがさないようにして行くことが大切と感じました。

毎回、実習をする度に、身をもって知ることの多いことに気づかされています。


傾聴理解編5 ザワザワする人


今回のテーマは、私をとても悩ませました。実は、まだ全部自分の中にうまく落とし込めていないのが正直な所です。

ただ、その中でも強く感じるのが、ここの判断を誤ると、カウンセリングを行う上でとても危険であると言うことです。常に頭に置いておかなければいけないことですが、「見立て」が何より重要です。

「ザワザワする人」と言うのは、世界観の異なる人を差して言います。つまり、個人の倫理規範が通用しない相手のことと私は解釈しました。この場合は、主にクライエントさんが境界知能の方であった場合に絞って考えます。

境界知能とは、IQが71〜84の人、知的障害ではないけれど、通常知能には達していない人を言います。境界知能では、周囲の人に違和感を与えながらも、日常生活は問題無く送ることができるので、気づかれないケースも多いようです。

ただ、境界知能の人が母親であった場合、本来子供に与えられるべき情緒や愛着が無いので、その子供は親に認めてもらおうと無限に頑張り続けます。これが非定型発達です。

これを、個人の倫理規範に照らすとザワザワすることになります。ですから、カウンセラーとして、そのクライエントさんの世界観を受容することが求められるのですが、これは頭で理解してどうにかできるようなことではないと感じました。

ここまで学んできて、一つのことに思い至り、私は愕然としました。このケースに当てはめて行くと、私の祖母はおそらく境界知能、そして母は非定型発達であった可能性が高いのです。自らの現状からも目を反らさず、冷静に受け止めることができなければ、カウンセリング以前の問題です。

私は、この学びを通して、自らの強さと、ぶれない心の持ち方を追求して行かなければならないのではないかと感じています。


傾聴理解編6 カウンセリングの三大効果


講義は、徐々に具体的な技術の部分へと入って行きます。続いては、カウンセリングの三大効果について学びました。

○カタルシス効果……これは、クライエントさんに、話をすることによって、気分を楽にしてもらう効果です。カウンセリングを始める入り口がここなのではないでしょうか。

○バディ効果……バディとはパートナーと言うような意味合いで、信頼関係があることを示します。「気持をわかってくれる人がいる。自分は一人ではない」と感じてもらう効果です。これは、クライエントさんにどれだけ信頼してもらえるかと言うことで、カウンセラーの力量が試されるように思います。

○アウエアネス効果……「そういうことだったのか」とクライエントさんに気づきが産まれるのがこれです。傾聴カウンセリングの場合、ここにたどり着くのをじっと待つ(先に答えを言わない)のが基本ですが、見守りながら最終的にこの段階へたどり着くためには、カウンセラーはかなりのトレーニングが必要だと感じました。

最後に実習を行いました。まずは、受容の実習。カウンセラー役は、あいづち以外は何もしゃべってはいけません。ここで私は大きな誤解をしてしまい、「そうなんですね」、「なるほど」と言った言葉も禁じられていると勘違いして、「うなずき」と「ああ」「はい」などの言葉しかしゃべらずに頑張り、妙な緊張状態になってしまいました。

次に、オウム返しでクライエントさんに答える実習です。これは、口を開いて良い分だけ楽かと思いきや、あまりに同じ言葉を繰り返すと何だか話題を流しているような空気になったり、ともすればバカにしているような印象さえ与えかねないように思えて、かなり言葉を選びました。

今日の実習を通して、短い「あいづち」や、言葉の返し方の重みを強く感じました。


傾聴理解編7 自己受容〜無意識の努力をわかってあげる


「自己受容」については以前にも少し学びましたが、今回は、その重要性がより明確になった講義でした。

心の中には、意識(こうあるべきという概念)と、無意識(経験から感じた事柄と意識に上がって来ない欲求)の両方が常にあります。この2つが重なっているほど、自己一致度が高いと言えます。そして、クライエントさんは、不一致の状態で来られます。

ここで、新たに登場するのが「適応と不適応」です。不適応は、社会や人間関係に適応できなくなる状態で、不一致とは異なり、日常生活に大きく影響します。例えば、会社で不適応になれば、仕事を続けるのが困難になり、悪化すれば失業となるわけです。

重要なのは、クライエントさんがどうにかしたいのは、不一致ではなく不適応の方だと言うことです。不一致の状態にあっても、そこに折り合いをつけて生活することができるのであれば問題はありません。

カウンセラーは、不一致に気づいても、先走ってそれを暴くこと無く、クライエントさんが自己受容できるように寄り添って行きます。受容できていない無意識の部分が問題になる場合、そこには防衛規制が働いている〜つまり、思い出したくない部分だからです。無理矢理不一致をどうにかしようとすると、クライエントさんとの信頼関係が崩れてしまったり、傷を広げてしまうことにも繋がります。

クライエントさんが自ら自己受容できたとき、自分の無意識下の努力を思いやる気持が芽生え、そこから自己一致が深まるのだそうです。ここまで来ることができれば、合格と言えるのかもしれません。

実践経験の無い私にとっては、今はまだ、この一連の流れをイメージするしか無いのですが、忍耐強くこの自己受容に至る経過に寄り添うことのできるカウンセラーを目指したいと思いました。


傾聴理解編8 ラポールしようよ


ラポールと言うのは、無意識下での信頼関係を意味し、カウンセリングに於いて最も大切なものと言えます。クライエントさんとの間にラポールが取れなければ、カウンセリング自体が成り立たないからです。
ラポールを築くためのテクニックとして、以下の6つがあります。

●見た目や体感で感じる人間性
●呼吸・会話のリズム
●あいづち、うなずき
●ペーシング→ミラーリング
●身体表現される心のメッセージの観察
●周辺視野を活用したキャリブレーション

要するに、クライエントさんが心を開きやすい状況を意識的に整えると言うことなのだととりあえず理解したのですが、乱暴すぎるでしょうか?おそらく、それだけでは足りないと思いますが、最低限必要なスキルと考えて間違いはないように思えました。

ペーシングとは、動作を合わせて行くことです。あまりやり過ぎると不快感を与えてしまうと思いますが、例えば同じようなタイミングでお茶を飲むという動作だけでも、リズムが合って来ることになります。ミラーリングは、逆に、動作に同調して行くことで、これが無意識に行われればラポールが取れていると言えます。傾聴カウンセリングにとって、最も必要なスキルです。

実習として、「デビルカウンセリング」を行いました。これは、敢えてクライエントさんとのラポールを切るような行動を取るというものです。実習とわかっていても、精神的にとても堪えるものでした。この実習のお陰でラポールの重要性を身をもって知ることができました。

視覚障害を持つ私にとっては、4〜6のテクニックが課題となります。なぜなら、目で見て収集したい情報が、どうしても得られないからです。ここを、私なりの技法でどう乗り切るか、今後の課題にして行きたいと思っています。できれば、見えないからこそできるラポールの取り方を模索して行きたいのですが、それは少し先の話になりそうです。


傾聴理解編9 不適応と自己一致


不適応については、7.の講義でも学習しましたが、今回はそれをさらに深く掘り下げて、不適応に対してカウンセラーがどう対処すべきかについて学びました。

初めにクイズが出されました。
「貴方がついやってしまっている防衛機制を例にあげて説明しなさい。」

このクイズは、問題自体の間違いを見つけることが課題です。答えは、「防衛機制は無意識に行っていることなので、進行形で行われている防衛機制については説明できないはず。説明できた時点で。それはもう過去の防衛機制であり、現在は意識ベースに上がっている」と言うことになるのです。

防衛機制は、必ずしも悪いものではなく、心の安定に必要なケースもあるので、見極める必要があります。
クライエントさんは、不適応を抱えて来られることが多く、でも、その全てのケースが自己不一致ではありません。つい、カウンセラーは防衛機制の内側〜不一致の部分を見てしまいそうになりますが、自己一致しているかどうかよりも、不適応の克服が主訴であることが多いのかもしれません。

不適応の克服には、傾聴だけでなく、コーチングの技法が求められることもあります。傾聴カウンセリングは、クライエントさんに介入しないことが基本ですが、介入技法を身につけることで、より幅広いクライエントさんに対応できるカウンセラーになれることがわかりました。

最後に、実習を行いました。3人で、カウンセラー・クライエント・スーパーコーチの役割を順に行い、基本的な関わりと、ラポールがうまく取れているかをチェックすると言うものです。これまで学んだカウンセリングを、改めてきちんと見直すことができました。初回の実習では、緊張した空間を作り出していたように思いますが、実習を重ねることで、少しずつ、確実に基本の形が身について、ラポールにも意識が向けられるようになって来ているのではないかと感じました。


傾聴理解編10 ステイトコントロール実習


今回の講義が基礎編の最後となります。
カウンセラーにとって、ステイト(気持)を乱される行為はとてもやりづらく、疲れるものです。
クライエントさんの中にはそういう方もいらっしゃることを心得ておかなければなりません。
ステイトを乱される行為として、以下のようなものがあります。

  • 延々と自慢話をする→話に進展が無い
  • 終了時刻を告げても帰ろうとしない→時間のコントラクトが取れない
  • 不衛生→カウンセラーが集中できないが、断るのは難しい
  • カウンセラーを試そうとする→ペースが乱される、ラポールが取りにくい
  • 好転移→カウンセラーを、好意を持っている誰かと重ねて見ている
  • 悪転移→逆に、悪いイメージの誰かと重ねている
  • 批判→ラポールが取れない

→の後ろは私の解釈です。何れを取っても、疲弊するであろうことが容易に想像できます。

このようなクライエントさんとの対話は、経験を積んで接し方を学んで行くしかないのかもしれません。
最初の実習として、先生にクライエント役をしてもらい、わざとステイトを乱す状況を作っていただきました。
1分ほどの時間でしたが、全くかみ合わず、とても疲れることがわかりました。
次の実習では、段階を踏んで、介入の仕方の違いを学びました。
最初は、受容的傾聴(相槌や肯きのみ)、次にプチ介入(オーム返しや要約を挟む)、最後に積極的傾聴(質問やアドバイスを入れても良い)。

積極的傾聴の学びはまだ少ないので、わざとらしくなってしまったと思いますが、最初の2つについては、違いが良くわかりました。
最後に、基本に立ち返って通常の傾聴実習を行い、基礎編が終了しました。
ここまで、本当にあっという間でしたが、わかることが少しずつ増えるに連れて、さらに先のことを知りたいと思うようになり、とても充実した時間になったと感じています。


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